糖尿病とはどのような病気か。1型と2型、妊娠糖尿病の解説。

近年、糖尿病を患う国民の数は増加の一途をたどっています。
平成17年から平成29年の約10年間で246.9万人(男性132.3万人/女性114.7万人)から328.9万人(男性183.8万人/女性144.2万人)と、約60万人増加し過去最高となりました。

糖尿病と聞くと誰もが一度は耳にしたことがあるような病気ですが、症状や治療法、患者さんがどのような生活を送っているのかを正確に理解している人は少ないのではないでしょうか。
また、日本の医療の技術革新が発展し続けているのにも関わらずなぜ糖尿病患者が増え続けてしまっているのかなども合わせて、糖尿病とはどのような病気なのかを見ていきたいと思います。

糖尿病になるとどのような症状が現れるのか?

糖尿病とは、すい臓から分泌されるインスリンというホルモンの生産量が減少、あるいは正常に作用しなくなり、食事などで摂取した血糖(ブドウ糖)の値を正常に保つことができなくなり、血糖値が高い状態のことを指します。また、高血糖の状態が続くと血管が損傷し、心筋梗塞や脳梗塞など様々な合併症を引き起こす危険性があります。

糖尿病の主な症状(自覚症状)としては、異常なのどの渇き、尿意が頻繁になる、疲労感、気だるさ、体重の減少などが挙げられます。しかし、自覚症状があり糖尿病を疑うケースは少なく、症状が全く現れず人間ドッグや他の病気で受診した際に発覚するケースが多くあります。

糖尿病を患った場合の日常生活への影響

糖尿病という病自体は決して恐ろしい病気ではないですし、ガックリと肩を落とす必要もありません。
上記でも触れましたが高血糖に陥っている状態のことですから、糖質制限や野菜を多めにとるなどのしっかりとした食生活、歩行やジョギングなどの適度な有酸素運動を心がけることで徐々に改善されていくことが多いです。
そしてしっかりと通院することが最も肝心になります。誤解を招くかもしれませんが、私は糖尿病というのは、仏様がこれ以上状態を悪化させないために注意喚起をしてくれているのかなと思います。

1型糖尿病と2型糖尿病

糖尿病には「1型糖尿病」と「2型糖尿病」、「特定の原因によるその他の型の糖尿病」、「妊婦糖尿病」という糖尿病の中でも幾つかの種類があります。今回はその中の1型糖尿病と2型糖尿病についてそれぞれの特徴や違いについて解説していきたいと思います。

1型糖尿病 2型糖尿病
発症年齢 決まった年齢はなく何歳でも発症する可能性あり。若年層に多く発症する傾向あり。 主に中高年層に多く発症する傾向あり。
体型 痩せ型の人に多い傾向あり。 肥満体型の人に多い傾向あり。痩せ型の人にも発症するケースもある。
症状 1週間から数カ月の短い期間で急激にのどの渇きや体重減少などの自覚症状が現れ発症することが多い。 数カ月から数年の長い期間を経て徐々に発症することが多い。自覚症状などが少ないことから状態が進行している場合がある。
要因 突発的に発症する。
2型糖尿病とは異なり食生活や運動不足などの生活習慣に関連はない。
主に食べ過ぎ飲み過ぎや運動不足などの生活習慣によって血糖値が高くなり発症する。遺伝での発症もある。
治療法 インスリン注射 食事療法、運動療法、病院の通院による飲み薬による治療。症状が治まらない場合インスリン注射での治療を行う。

現在、日本の糖尿病患者数の内90%〜95%は2型糖尿病と言われています。
平成17年から平成29年の約10年間で60万人糖尿病患者数が増加したように、その背景にはファーストフード店の増加や車社会の普及によって運動不足に陥りやすくなり肥満体型の人々が増えたことが一つの要因になっていると考えられます。

妊娠糖尿病とは

妊娠糖尿病とは、糖尿病のいくつかの種類の中の一つであり、妊娠をする前に糖尿病の検診を行っておらず、妊娠が発覚してから血糖値が高くなり妊娠後に初めて発症した糖尿病のことです。
妊娠前にすでに糖尿病を患っている場合や妊娠中に明らかに糖尿病と診断された場合は妊娠糖尿病に該当しません

妊娠すると胎盤からHPLと言うホルモンが分泌されることでインスリンの働きを妨害され妊娠以前に比べて血糖値が上昇しやすくなり高血糖状態(妊婦糖尿病)になりやすくなってしまいます。
また妊婦の7〜10%の方が妊娠糖尿病と言われています。過去に流産や早産、先天奇形や巨大児の出産経験がある、家族系に糖尿病の方がいる、などに該当する方は注意が必要です。

妊娠糖尿病の症状は?治療法は?赤ちゃんへの影響は?

*症状

・お母さんへの影響
流産や早産、難産、羊水過多症、妊娠高血圧症候群 など
・赤ちゃんへの影響:流産、先天奇形、巨大児、低血糖、呼吸障害 など

妊娠糖尿病は自覚症状が他の糖尿病と比べて少なく、トイレに行く回数が増えたり、疲れやすいなどの症状が出ていたとしても、妊娠しているからだろうと思い込んでしまい発見が遅れてしまう場合があります。
早期発見をするためにも血液検査や尿検査などを行うことが大切です。

*治療法 基本は食事療法から

妊婦さんは有酸素運動などの運動が難しく、なかなか運動療法で改善していくことは難しいです。
そこで、まずは食事療法を実施します。

高血糖状態だからといって糖質を全く取らないのもよくありません
母子ともの健康に影響が出ない範囲で、食事後の高血糖状態を避けるために食事を4〜6回に分けて食事をする分割食を行うなどをして改善を試みます。
また単に食事制限をすればいいのではなく、適切な栄養素を含んだバランスのとれた食事を摂り、規則正しい生活を行うことが大切です。
それでも改善されない場合はインスリン注射を施します。

まとめ

糖尿病は患者さんだけの力だけでは乗り越えることは難しいです。家族やパートナーの支えがとても重要になります。

また糖尿病患者の大半が食べ過ぎや飲み過ぎ、運動不足などによる2型糖尿病のように、日頃から規則正しい生活を心がけることで予防することもできます。
一度きりの人生です。健康で充実した幸せな日々を送るためにも、今一度ご自身の体を見つめ直す良い機会ではないでしょうか。