糖尿病で一番怖いのは合併症!糖尿病治療の放置で三大合併症に。

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糖尿病と聞くと、「糖尿病は糖質の過剰摂取や運動不足や生活習慣が要因となる病気で、食生活や日常生活を改善すればいいのでは?」と安易に考えてしまいがちですが、糖尿病の怖いこととして何よりも「合併症」を思い浮かべていただきたいです。

今回は意外と知られていない合併症の種類やその怖さについてお話しいていきたいと思います。

合併症とは一体何か?

合併症とはある病気が原因となって発症してしまう病気、又は手術や検査などの後にそれが要因となって発症する病気のことです。
例えば、消化器の手術をすると腸の動きがスムーズではなくなり腸閉塞を引き起こしてしまうことがあります。この場合は腸閉塞のことを合併症と呼びます。

糖尿病の三大合併症とは?

糖尿病の合併症には様々な種類の合併症があり、脳血管障害や冠動脈疾患などがありますがその中でも、糖尿病三大合併症と呼ばれる
糖尿病神経障害
糖尿病腎症
糖尿病性網膜症
の三つの合併症をピックアップして説明していきたいと思います。

糖尿病神経障害

糖尿病神経障害とは高血糖状態が続くことで末梢神経の代謝に異常が起こしまったり、血管が損傷し血液の循環が悪くなってしまうことで発症してしまいます。
また三大合併症の中で最も発症しやすいと言われており、糖尿病患者の半数が発症していると言われています。

・主な症状

・手足のしびれ、痛み、感覚の麻痺
・足の壊疽(痛みを感じにくくなり重症化の恐れ)
・勃起障害
・便秘異常(便秘、下痢)
・胃無力症(腸に食べ物が送られなくなる)
・無痛性心筋梗塞(痛みを感じないため進行しやすい)
・発汗異常(暑くても汗が出なくないor暑くないのに汗が出る)
・立ちくらみ

糖尿病腎症

糖尿病腎症とは、尿を作る働きをする腎臓に機能障害が起こり血液中の老廃物や不要物を本来なら尿として排泄していたものが排泄できなくなり、様々な代謝異常や内分泌の異常が起こります。
これを放っておくと腎不全に陥り人工透析を受けなければ生きていくことができなくなってしまいます。

糖尿病腎症には5段階での病期に分かれており、病期が進むごとに徐々に症状が現れていくのが特徴です。

・主な症状

第1期 腎症前期と呼ばれ合併症としての症状はほとんどなく、検査をしても腎症と診断されない場合もあります。

第2期 早期腎症期と呼ばれこの段階でも症状はほとんど現れませんがむくみが出てくることがあります。

第3期 顕性腎症期と呼ばれ尿中にタンパク質が出てき腎機能が低下していきます。むくみの症状が現れてきます。

第4期 腎不全期と呼ばれ腎臓の機能が著しく低下していきます。自覚症状としてはむくみ、体のだるさ、皮膚がかゆい、貧血など尿毒症の症状が出てきます。

第5期 透析療法期と呼ばれ腎臓が機能しなくなり人工透析を行わなければ生きていくことができなくなってしまいます。
人工透析とは腎臓の役割を人工的に代替する方法で、1日に4~5時間の時間を要する透析を週2日から3日通院して受けなければならなくなります。
もしくは携帯式持続腹膜透析という24時間透析を自身で行い、この方法は1日4回の透析バッグの交換が必要となり、どちらの方法も日常生活に大きな負担となってします。

糖尿病性網膜症

糖尿病性網膜症では、目の網膜の全てに異常が出るのではなく網膜の中の網のように走る毛細血管に異常が起こります。

網膜症は三代合併症の中で最も早期に発症しやすいと言われています。ですので、糖尿病と診断された場合には、まず眼底検査を受けることが大切です。

主な症状

網膜の中の毛細血管に異常が発生すると、次第に視力が低下したり視野が狭くなってしまう恐れがあります。さらに症状が進行してしまうと最悪の場合失明してしまうケースもあります。

網膜症の症状のステージは単純糖尿病網膜症 ⇨ 増殖前網膜症 ⇨ 増殖網膜症と3期に大きく分類されます。

単純糖尿病網膜症
自覚症状としては初期の段階で、網膜の細い血管に瘤ができる「毛細血管瘤」や、小さな点状の出血があらわれます。
また硬性白斑という白いシミのようなものが現れます。

増殖前網膜症
単純糖尿病網膜症が進行した状態で、血管の閉鎖により網膜に血液が行き渡らなくなり白い白斑(軟性白斑)が現れたり、静脈異常が起こるなどの症状が現れてきます。

増殖網膜症
新生血管という本来なら存在しない血管が現れ、その血管から出血が起こり、増殖膜や網膜剥離といった状態に陥ります。
この段階になると目の前に煙のようなものが見えたり、赤いカーテンが目の前にかかっているように見えるなどの自覚症状があらわれ、治療をすることが困難になってしまいます。

合併症を予防することはできるのか?

様々な合併症がありますが、合併症は高血糖状態がずっと続くことで発症します。
特別な予防を行うというよりかは、主治医の先生からの指示を守り徹底的な血糖コントロールを行うことが一番の合併症の予防方法だと考えています。

まとめ

今回は糖尿病の三代合併症についてご紹介しましたが、この他にも様々な合併症が存在します。
今回のお話を経て、合併症がどれほど恐ろしいものなのかを知っていただくと同時に、この知識をさらに深めて様々な人々に共有していただければ幸いです。

糖尿病を発症してしまったからには一生付き合っていかなければいけない病気ですので、少しでも日常生活に影響が出ないように治療を行っていただければと思います。

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