コーヒーを飲むことによる糖尿病への影響

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コーヒーを飲むと眠れなくなったり、集中力が高まる、記憶力があがるなどといった効果が現れることは、多くの方がご存知なのではないでしょうか。

今回は、意外と知られていない「コーヒーと糖尿病の関係」についてお話ししていきたいと思います。

コーヒーを飲むと糖尿病の発症リスクが軽減される?

『コーヒーを飲むことで糖尿病の発症リスクが軽減される』、という研究結果が、国内や海外でも多く発表されています。

例えば、オランダで初めて報告された研究結果によると、
コーヒーを1日1〜2杯飲むと糖尿病の発症リスクが軽減されるという研究結果が発表されました。
また、コーヒーを1日2杯以下飲む人に比べて、コーヒーを1日7杯以上飲む人は、糖尿病の発症リスクが50%軽減されるという研究結果も報告されています。

他には、日本の国立国際医療研究センターによる40〜69歳の日本人男女56,000人を対象とした「JPHC研究」では、
コーヒーを全く飲まない人に比べて、コーヒーを1日3〜4杯飲む人は、男性で17%、女性で38%、糖尿病の発症リスクが軽減される
という研究結果も報告されています(糖尿病研究部の野田光彦部長らが2009年に発表)。

このような研究結果から、コーヒーを多く飲むことで糖尿病発症リスクが軽減されることが期待されますが、ヨーロッパの欧州食品安全機関ではカフェインの適正摂取量について成人では1日400mg未満に抑えることを推奨しています。
通常のコーヒーに換算すると1日4〜5杯が適正範囲となりますので、薬も過ぎれば毒となると言うように、過度の摂取には注意しましょう。

コーヒーを飲むと死亡リスクも軽減される?

上記では、糖尿病の発症リスクについてお話ししましたが、さらにはコーヒーを飲むことでがんや心疾患などによる死亡リスクも軽減されるという研究結果も報告されています。

アメリカ国立がん研究センターが50万人を対象に行った研究によると

■コーヒーを全く飲まない人に比べて
・コーヒーを1日2〜3杯飲む人は死亡リスクが12%減
・コーヒーを1日4〜5杯飲む人とでは12%減
・コーヒーを1日6杯飲む人とでは16%減
・コーヒーを1日7杯以上飲むひとでは14%減
というように、6杯まではコーヒーを飲んだら飲んだ分だけ死亡リスクが減少するという研究結果となりました。

日本国内でも同じような研究が行われていて、

■1日にコーヒーを全く飲まない人に比べて
・コーヒーを1日1杯飲む人は死亡リスクが9%減
・コーヒーを1日2〜3杯飲む人では死亡リスクが5%減
・コーヒーを1日3〜4杯飲む人は死亡リスクが24%減
という研究結果が報告されています。

日本人は海外に比べてコーヒーを飲むという習慣があまりないので、1日1杯コーヒーを飲むだけでも死亡リスクを軽減させることができるかもしれません。

コーヒーを飲むと発症リスクや死亡リスクが軽減される訳

コーヒーと言えばカフェインが頭に思い浮かぶ方が多いと思います。
なので、カフェインによって様々な健康効果がもたらされているのではないかと考えられます。

2009年にHuxleyらによる18本のコホート研究では、”カフェインを含むコーヒー”と、”カフェインを含まないデカフェコーヒー”の2種のコーヒーで糖尿病の発症リスクについての研究を行ったところ、
デカフェコーヒーもカフェインを含むコーヒーと同様に、糖尿病の発症リスクが軽減されることがわかりました。

このことから、カフェインが要因として健康効果がもたらされてるわけではないことがわかります。

また、緑茶でも同様の研究を行ったところ、緑茶でも糖尿病の発症リスクが減少されることがわかりました。
緑茶にはカテキン類を含むポリフェノール、コーヒーにはクロロゲン酸というポリフエノールが含まれています。

このポリフェノールには強い抗菌化作用があることがわかっており、このポリフェノールによって内臓脂肪や体脂肪、血圧などにプラスの効果が働くことで健康効果がもたられているのではないかと考えられています。

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