糖尿病(2型)の持病がある人はガン罹患リスクが健常者の2倍

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糖尿病患者がガンになる確率は高いというのは事実

厚生労働省の患者調査によると、糖尿病患者は健常者に比べてガンの発症率は20%から30%増加するという研究結果が報告されています。

特にガンを発症しやすい場所として
・肝臓
・膵臓
・大腸
・乳房
・直腸
・子宮内膜
・膀胱
が挙げられ、糖尿病患者の方はこれらの部位のガン発症率が高くなります。
一方で、前立腺ガンの発症率のみ減少するという報告も出ています。

罹病期間が長いほどガンの発症率は高くなる

糖尿病を15年以上患っている患者は、糖尿病を罹病してから15年以内の患者に比べて、男性で1.6倍、女性では1.8倍発症率が高くなると厚生労働省の患者調査により報告されています。

なぜガン罹患の確率が高いのか。

糖尿病患者のガン発症リスクが高い理由として、どの研究においても正確な要因は出されていないのですが、以下のことが考えられています。

要因① インスリン抵抗性と高インスリン血症

インスリンには糖代謝を促進させ血糖値を下げる働きがあるのですが、一方でガン細胞を増殖させる働きを持っています。
インスリン注射によってインスリンの成長因子が活発になり、癌の転移をも手助けしてしまう悪影響があります。

特にインスリンは膵臓で作られてから肝臓へと流れていくので、膵臓ガンと肝臓ガンのリスクが上がるのではないかと考えられています。

要因② 肥満による炎症

2型糖尿病の方の場合、肥満状態になることも少なくありません。
肥満によって蓄積された脂肪では慢性的に炎症が起こり、ガンの発症に関わってくる場合があります。

要因③ 生活習慣

これは糖尿病と癌の発症率として共通になりますが、栄養の偏った食事や運動不足、喫煙、アルコールの過剰摂取など、これは糖尿病を悪化させるとともにガンの発症率も増加させてしまいます。

ガン予防のために出来ること

ガン予防への一番の予防策は健康的な生活の徹底です。
栄養の偏った食事や運動不足による肥満、過剰なアルコール摂取、喫煙は糖尿病の発症に加えて、ガンの発症率も増加させてしまいます。

そしてガン予防に最も重要なのがガン検診です。
ガン検診を受けることでガンの早期発見につながり、ガンによる体調悪化(最悪は死亡)を防ぐことが出来ます。

一度ガン検診を受診したから安心するのではなく、定期的にガン検診を受診することで早期発見を限りなく100%に近づけられ、初めてガン検診の意味を成します。

ガン発症を抑える研究の状況

最近の研究状況でいうと、京都大学の井垣達吏氏の研究グループが、ハエを実験に使って糖尿病がガンの発症を増加させる関係についての研究結果を発表しました。

ハエのチコという細胞を破壊すると糖尿病患者に見られる高インスリン血症状態が見られ、糖尿病治療薬のメトホルミンを投与すると症状が回復したと言います。
この研究結果により糖尿病がガンの発症率を増加させてしまう関係の仕組みが解明され、糖尿病患者のガン発症への予防策や治療法の開発が期待されています。

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