年齢・性別にみた糖尿病患者数の推移と今後の予測

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日本における糖尿病の患者数

厚生労働省の統計によると、平成28年日本の糖尿病患者数は約329万人となり、平成20年に約237万人だった患者数から約90万人も増えて、過去最多の患者数となりました。

男女別で見てみると、平成20年では
男性131万人、女性106万人
に対し、
平成28年では
男性184万人、女性144万人
と、男女ともに患者数が増加傾向にあるのが見て取れます。

年齢別にみる糖尿病患者数の推移

糖尿病患者に加えて、『糖尿病が強く疑われる者』を合わせると、全国で約1000万人にのぼると言われています(※)。
また、『糖尿病の可能性が否定できない者』を追加すると2000万人もの人々が糖尿病の可能性があるとされています。

平成20年では、20歳以上の『糖尿病が強く疑われる者』の割合は男性で13.7% 女性で7.4%でした。
それから多少の増減を繰り返し、平成27年には男性で19.5% 女性で9.2%にまで上昇しました。

最新の統計では、平成30年には男性で18.7% 女性で9.3%となり、平成27年のピーク時からはわずかに減少したものの、平成20年から比べると男性女性ともに増加傾向にあることがわかります。

この『糖尿病が強く疑われる者』の割合を年齢別で見ていきましょう。

20歳-29歳 男性0.0% 女性0.0%
30歳-39歳 男性1.0% 女性0.5%
40歳-49歳 男性6.8% 女性3.5%
50歳-59歳 男性18.6% 女性4.7%
60歳-69歳 男性24.8% 女性12.8%
70歳以上 男性24.6% 女性15.7%

男性は特に、40歳代から急激に増加傾向にあることがわかります。

糖尿病患者や『糖尿病が強く疑われる人』が増加している理由としては、食事の欧州化によるファーストフード店の増加や、デスクワークや車社会による身体運動の減少などが影響していることは単縦明快でしょう。

ただ、「今後の糖尿病患者数については少しずつ減っていくのではないか」と私は考えています。
以下がその理由です。

糖尿病患者減少への可能性

私が今後、糖尿病患者が減少していくのではないかと考える理由です。

1.『フィットネスクラブや運動施設の増加』

2013年からフィットネス業界は年々業界の拡大傾向にあります。

フィットネスクラブの業界誌によると、2013年ではフィットネスクラブ数は4163店舗で、会員数は416万人でした。
それが2018年には5818店舗、会員数は514万人と大幅に増加していることが報告されています。

最近では大手資本を受けた24時間営業のジムも増えてきており、2021年現在ではさらに増加しているでしょう。

さらには、フィットネスクラブ会員の年齢層を見てみると、全体の会員数に対して40歳以上の会員数が平成15年は52.2%に対し、平成26年には40歳以上の会員数は68%と、糖尿病の症状が多く見られる40歳以上の会員数が増加しているのです。

このことから40歳以上の人々が運動をする機会や、健康を保とうという意識が増加傾向にあるので、糖尿病患者数は少しずつ改善していくのではないかと考えています。

2.『健康食品の増加』

もう1つの理由が食生活の変化です。

最近ではベジタリアンの方やグルテンフリーを行う方、糖質制限を行う方を見かけることが多くなりました。

また、みなさんお気付きでしょうか?
最近ではコンビニエンスストアのパンはパッケージの表面に栄養成分が書かれています。
さらには糖質が50%カットされているパンなど糖質制限のためへの食品も最近は置かれています。

このようにスーパーや身近なコンビニエンスストアでさえも、食事による健康改善へ取り組もうという傾向があります。
最近ではファーストフード店でさえも塩分カットをされたラーメンや、ご飯を豆腐に変えた牛丼なんかも販売されていますね。
国内のスタンダードの食事の質が変わっていけば糖尿病患者減少への手助けになるでしょう。

このように運動だけでなく食事の面からも健康改善が図られており、その2つの効果で糖尿病患者数の増加は抑えていけるのではないかと考えています。

※『糖尿病が強く疑われる者』の換算について
ヘモグロビンA1cの測定値があり、身体状況調査票の問診において「これまでに医療機関や健診で糖尿病といわれたことの有無」、「現在、糖尿病治療の有無」及び「現在の状況」が有効回答である者のうち、ヘモグロビンA1c(NGSP)値が6.5% 以上(平成 23 年まではヘモグロビン A1c(JDS)値が 6.1%以上)または「糖尿病治療の有無」に「有」と回答した者をいいます。
今回の統計まとめでは、『糖尿病が強く疑われる者』も「糖尿病患者」として換算しています。

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