糖尿病の治験は受けても大丈夫?治験でどのようなことをするのか?

そもそも治験とは

治験とは新しく作られた『くすりの候補』を、国の承認を得るために安全性や有効性に配慮しながら行う臨床実験のことをいいます。

現在ある既存のくすりでは治らない病気に対して、その病気に効果があるであろう『新しいくすり』を開発し、その新薬が効果があるのか、人体に悪影響はないかを国に判断してもらうことです。

治験を受けると報酬がもらえる

治験に参加すると、『謝礼』として報酬金が支払われます。
治験はアルバイトとは別のくくりであり、報酬金のことは『負担系限費』や『治験協力費』と呼ばれています。

治験協力費の相場。いくらもらえるか?

協力費は、通院して行うタイプと、入院をして行うタイプによって相場は分かれています。
*治験の種類や、医療機関によって協力費は異なる場合があります

<通院タイプの場合>
毎日通院するものや、1日だけ通院するものと様々ですが
1回の通院につき7000円ほどの協力費が支払われるのが相場で、医療機関によっては高いところだと1回の通院につき10000円ほどの協力費が支払われることもあります。

<入院タイプ>
入院タイプの治験の場合、治験期間が数日から1ヶ月ほどになるものが大半を占めます。
(糖尿病の治験の場合は長期入院のケースが多くなります)

入院タイプは1回の入院につき1〜2万円ほどの協力費が支払われるため、1ヶ月入院を要する治験を受けると60万円の協力費が支払われることもあります。

治験の安全性について

治験と聞くと、危険な薬や危険な実験を行うというイメージが少なからずあると思います。
が、そもそも治験というのは、基礎研究や非臨床実験といった研究で8〜10年という長い年月をかけたのち、初めて治験の臨床実験を行うことができるものです。

安全第一で行い、新薬の効果や副作用などの最終的なデータを確認するための実験なので、皆様が想像しているような危険なことはまずありません。

まず、治験を行うには多くの条件やルールがあります。

<治験を行うことができる医療機関の条件>
・医療設備が十分に整っていること
・治験に対して、責任を持って実験を行うことができる医師、看護師、薬剤師等の人材が所属していること
・治験の臨床実験の内容を正当に審査することができる委員会を利用できること
・副作用や異常が発生した場合、直ちに必要治療や処置を施すことができること
上記を満たした医療機関のみ治験を行うことができます。

<治験を行う上でのルール>
*「薬事法」、「医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令」に準ずる

・治験の臨床実験の内容を国に報告する
・治験審査委員会で治験の内容をあらかじめ審査しなければなりません
・同意を得ることができた患者のみ治験に参加させることができます
・重大な副作用は国に報告しなければなりません
・製薬会社は治験が適正に実施されていることを確認しなければなりません

このように多くの条件をクリアし、適正なルールに乗っ取ることで初めて治験を行うことができます。
とはいえ、治験の事故がまったくないかという言われるとそういうわけでもありません。

過去に起きた治験による事故の事例

2019年にエーザイが抗てんかん作用の効果が期待される「E2082」の臨床実験を行ったところ、20代の健康人男性が実験後に死亡してしまったという事故がありました。

男性は治験終了後に「幻覚・幻聴や不眠、異常行動」を訴えており、その後に電柱から飛び降りて死亡しました。

男性は治験を開始する以前は自殺願望や幻覚などの症状はなかったことから、「E2082」投与との因果関係は否定できないとしました。

また、調査によると「E2082」の臨床実験では精神科医が不在だったことや本実験についてのリスク説明を文書で行わず口頭のみで行っていたことも明らかになりました。
万前の体制下ではなかったことが少なからずあることから、この事故が引き起こされたとも考えられます。

糖尿病の治験

以下は過去にあった治験事例です。
※現在は新型コロナウイルスの感染対策のため、治験の多くが停止状態となっています

糖尿病治験の事例1

■20歳以上の日本人男女で、現在糖尿病治療中の方を対象
現在糖尿病の治療をされている方を対象に採血を行うモニター試験

<治験内容>
2週間に1回の通院を計5回(事前検査でも1回あり)
採血、採尿等を行い、治験薬の投与はありません。

<協力費>
35000円〜50000円ほど

糖尿病治験の事例2

■1年以上前から2型糖尿病の診断を受け治療中の20歳から70歳の男女を対象
1年以上前から2型糖尿病の診断を受けいる方を対象にヘルスチェックを行うモニター試験になります

<治験内容>
3~4日間の入院を4回+通院を8回行いヘルスチェックを実施。
(日時はあらかじめ指定)

<協力費>
176000円〜320000円ほど

1型糖尿病を発症した人が受けられる公的支援は何がある?

1型糖尿病の医療費負担はどのくらい?

1型糖尿病は遺伝により発症することが多い病気で、お母さんのお腹の中から生まれてきてすぐに発症してしまうことも少なくありません。

1型糖尿病にはインスリンによる治療が必要不可欠です。
インスリンの治療にも様々ありますが、標準的な1型糖尿病のインスリン治療ですと
■ペン型注射器を用いたインスリン補充療法の場合
1ヶ月あたり15000円〜20000円ほど
■インスリンポンプなどの高度な医療器具を用いたインスリン補充治療の場合
1ヶ月あたり20000円〜35000円ほど
の費用がかかります。

糖尿病は膵臓移植手術を除いては現在の医療技術では完治することがありません。
そのため多くの患者さんが生涯を通じて医療費を払わなければいけなくなっています。
仮に60年間医療費を払い続けると、総額1000万円をも超える金額になってしまします。

そこで今回はこの医療費への公的支援について、どのような種類の公的支援策があるのかをお話ししていきたいと思います。

1型糖尿病への公的支援とは

1型糖尿病への公的支援には、
・『小児慢性特定疾患治療研究事業』
・『特別児童扶養手当』
という2種類の公的支援があります。

それぞれの公的支援の内容について説明していきたいと思います。

小児慢性特定疾患治療研究事業

小児慢性特定疾患治療研究事業とは、小児慢性特定疾病にかかっている子供に対してその医療費の自己負担分の一部を助成する制度のことを指します。

対象年齢は18歳未満で、糖尿病だけでなく、以下のような疾患に対して広く助成がされています(継続して治療が必要だと判断された場合は、20歳未満まで対象となることがあります)。

小児慢性特定疾患治療研究事業の対象疾患群:
1.悪性新生物(白血病、悪性リンパ腫など)
2.慢性腎疾患(ネフローゼ症候群、慢性腎盂腎炎など)
3.慢性呼吸器疾患(気管支喘息、気道狭窄など)
4.慢性心疾患(洞不全症候群、完全房室ブロックなど)
5.内分泌疾患(下垂体機能低下症、先端巨大症など)
6.膠原病(若年性突発性関節炎、皮膚筋炎など)
7.糖尿病 (1型糖尿病)
8.先天性代謝異常 (アミノ酸代謝異常症、ミトコンドリア病など)
9.血液疾患 (急性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病など)
10.免疫疾患 (X連鎖重症複合免疫不全症、細網異形症など)
11.神経・筋疾患 (全前脳胞症、脊髄脂肪腫など)
12.慢性消化器疾患 (潰瘍性大腸炎、急性肝不全など)
13.染色体又は遺伝子に変化を伴う症候群 (マルファン症候群、ダウン症候群など)
14.皮膚疾患 (表皮水疱症、先天性魚鱗癬など)
15.骨系統疾患 (胸郭不全症候群、軟骨無形成症など)
16.脈管系疾患 (巨大静脈奇形、リンパ管腫など)

また、自己負担額上限については、それぞれの家計の年収や、病気が重度なのか軽度なのかによって変動していきます。

特別児童扶養手当

特別児童扶養手当とは、精神または身体に何らかの障害がある子供を持つ家庭に手当を支給する制度です。

対象年齢:20歳未満

支給金額:1級(重度障害児)の場合、月額52,500円
    :2級(軽度障害児)の場合、月額34,970円

何級に該当するかは糖尿病の治療状況によって変わってきますので、特別児童扶養手当について詳しく知りたい方は、お住いの市区町村にお問い合わせしていただくとより細かく説明してくださいます。

その他の糖尿病への公的支援

障害基礎年金

障害基礎年金とは国民年金、共済年金、厚生年金保険の全ての方が対象となり支給される年金制度です。
また、交通事故によって身体または精神に障害を負ってしまった方や、生まれつき障害を持っている方など、あらゆる病気や怪我が対象となる年金制度でもあります。

対象年齢:規定なし

支給金額
1級(他人の介助がないと身の回りの自分のことを行うことができない程度) 97,4125円
2級(必ずしも他人の介助は必要ないが日常生活を自分だけで行うことは困難な程度) 77,9300円

これに『18歳到達年度の末日を経過していない子供』もしくは「20歳未満で障害等級1級または2級の障害者」の子供を有する場合、1〜2人目は一人当たり22,4300円、3人目以降は7,4800円が1級、2級の金額に加算されます。

新型コロナの自粛生活が与える体・糖尿病への影響

自粛生活で糖尿病患者が気をつけなければいけないこと

世界中で新型コロナウイルスが猛威を振るっている中、様々な情報が飛び交っています。
インターネットで検索をかければ多くの情報を知ることができる一方、真実ではない情報もあり、情報が交錯しています。
まずは、間違った情報を鵜呑みにしないように気をつけましょう。

自粛生活で一番気をつけなければいけないこと

それは、
身体活動が激減してしまい、今まで行っていた運動療法に影響が出てきてしまう事で血糖コントロールが難しくなってしまうことです。

・普段屋外で運動をしていたけれど、感染への不安から屋外に出ることが減ってしまう。
・ジムなどを契約していても、スポーツジムも閉鎖してしまう。
・スーパーへの買い物や、リモートワークにより通勤通学による通常の生活での身体活動も減ってしまう。
など必然的に運動量が減ってしまいます。

また、自粛生活により人との接触を制限され、人と会話をすることも減り精神的にストレスを抱えてしまったり、ひどい場合は鬱状態になってしまう可能性もあります。
現在はSNSや通信機器が発達しているので、それらを積極的に活用し家族や親戚、友人など人との会話の場を設けるようにしましょう。

自粛生活による体重増加によって引き起こる人体への危険性

『コロナ太り』という言葉を最近よく耳にすると思います。
上でも書いたように自粛生活による身体活動の減少で、運動不足に陥り、数ヶ月で10キロ以上も体重が増加してしまう例も少なくありません。
外出することが減り、人から見られるという意識もなくなり、さらに体重増加を加速させているのかもしれません。

また、スーパーや外食が制限されてしまうことで、生鮮食品が少なくなり、冷凍食品やインスタント食品を多くとってしまうことで、栄養のバランスをとることが難しくなってしまいます。

*体重増加による人体への影響
体重増加により様々な病気のリスクが増加してしまいます。
糖尿病、高血圧、メタボリックシンドローム、動脈硬化などのリスクの増加や、将来的には心筋梗塞や脳卒中を発症させてしまう危険性もあります。

また、英国リバプール大学の調査によると、コロナウイルスに感染した入院患者約1 万7 千人のうち、肥満度の目安指数となるBMI値が30を超える人では、30以下の人に比べ、死亡リスクが3 割以上高まると分析している。という調査結果もあります。
(健康産業新聞『特集【抗肥満/抗メタボ】“コロナ太り”対策、急務に!抗肥満素材への注目集まる!!』2020年6月16日
 

新型コロナウイルスと糖尿病の関係性

糖尿病に限らず、基礎疾患を持つ方や高齢者の方は新型コロナウイルスに罹患すると重症化しやすいことが様々な研究で分かっています。
日本糖尿病・生活習慣病ヒューマンデータ学会のまとめによると、糖尿病を患っている人はが新型コロナウイルスに罹患した場合、重症化するリスクと、死亡リスクが2倍から2.5倍ほど上昇することが分かっています。

ただ重症化はしやすいものの、糖尿病を患っていることで新型コロナウイルスに感染しやすくなることは今のところないようです。

特別な感染対策は必要ないのか?

確かに過剰な感染対策は必要ないと思います。
ですが、万が一感染してしまった場合、重症化しやすいという研究結果も出ているので、重症化予防のためにも、日頃から手洗いいうがい、マスクの着用、密集、密閉、密接の「3 密」を避けるといった、感染リスクを避ける「新しい生活様式」を取り入れることが大切です。

また、感染対策はもちろんのこと、徹底した血糖管理も、感染対策と並行して行うようにしてください。

自宅でできる簡単トレーニング法

自粛生活により屋外で運動をすることができない方のための、自宅の小スペースで行うことができるトレーニングをご紹介したいと思います。

どのメニューも週2〜3回を目安に行うとよいでしょう。

<スクワット>
一般的なスクワットのトレーニングになります。

<トレーニング方法>
1セット10回を2〜3セットを目安に行うようにしてください。
しっかりとお尻を下に落としていき、お尻と床が並行になったら最初の位置に戻りましょう。
自重でのスクワットが簡単な方は、ペットボトルに水を入れて負荷をかけることでより効果を得ることができます。


(トレーニングモデルに協力してくれたのは、プロバスケットボール選手の金久保翔選手。)

<マウンテンクライマー>
このトレーニングは、有酸素運動とレジスタンストレーニング(筋力トレーニング)を同時に行うことができます。

<トレーニング方法>
こちらは1セット20秒を2〜3セットを目安に行うようにしてください。
腕立て伏せの体勢から膝を胸につけるようなイメージで交互に足を入れ替えていきます。
このトレーニングを行う際は、靴下を履くか、足にタオルを敷いて行ってください!


どちらのトレーニングも継続して行うことで、運動不足の解消につながります。
家の空いているスペースで、空いた時間を見つけて、自粛生活でも健康な体を維持できるように心がけましょう。

アメリカで増えている糖尿病の状況。アメリカが取っている糖尿病対策とは。

アメリカの糖尿病患者数は世界第3位!

 

世界の糖尿病患者数は2017年の4億2700万人から2019年には4億6300万人に、糖尿病死亡者数も2017年の400万人から2019年には420万人と、患者数、死亡者数共に増加の一途をたどっています。

世界の糖尿病患者数を国別で見ていくと
1位 中国 1億1640万人
2位 インド 7700万人
3位 アメリカ 3100万人
4位 パキスタン 1940万人
5位 ブラジル 1680万人

糖尿病患者数が世界3位のアメリカは、2017年の3030万にから2019年には3100万人と2年間で70万人増加しています。

人口が世界1位、2位の中国やインドが糖尿病患者数が多いことはわかりますが、パキスタンやブラジルが糖尿病患者が多い理由としては、急速な経済発展を遂げており食生活が欧州化してきていることが大きな要因とされています。

なぜアメリカは糖尿病患者が多いのか。

アメリカの糖尿病患者のうち大半が2型糖尿病であり、糖尿病患者数が多い理由としては

・ファーストフードやジャンクフードが食生活の中心となっている
・車社会による運動不足

この2つが大きな要因とされています。

アメリカではハンバーガーやピザ、タコス、ホットドッグなどから、糖分を多く含んだドリンク、多くのジャンクフードや高カロリーな食品が食生活の中心となっており、誰しもが、一目見て良い食生活とは言えないような食事を摂っています。

また、低所得者層は安価で手にはいるファーストフードや高カロリーな食品に偏りやすくなり、所得からして健康に配慮した食生活をする余裕がなく、肥満や糖尿病になりやすくなってしまうのも背景としてあります。

膨大な広さのアメリカではどこに行くにも車が必須です。
スーパーに買い物に行ってもアメリカの商品は大きいし、重いですよね。そのため自転車なんかでは持ち帰ることすらできません。

また自動車産業が盛んなアメリカは経済面でも大きな要であり、そういった要因も含めてアメリカは世界でも有数の車社会なのです。
そのため自然と移動は車となり、意図的に運動をしない限りは運動不足になることは当然のことです。

このように、食事面、運動面どちらを見てもアメリカの糖尿病患者数が多い理由がよくわかります。

アメリカ人が行っている糖尿病への対策。

上記でお話しした食生活とは反対に、
・ファーストフードやジャンクフードは一切とらない
・動物性脂肪はとらない
・保存料を多く含む食品は避ける
・炭水化物、脂質、プロテインのバランスの徹底
などなど、食事や運動にとても気を使っている人々も多くいるのも事実です。
またこのように健康に興味を持つアメリカ人も増えてきています。

国としてもメディケア糖尿病予防プログラム(MDPP)というマンツーマンのカウンセリングと、食事や運動における支援を行い、特に糖尿病予備郡の人々が、完全なる糖尿病にならないように手助けをするプログラムや、米国糖尿病学会が「立ち上がって運動しようデー」を定め、糖尿病のリスクがある人々全員が立ち上がって運動をするように呼びかけたり、座ったままでも行える運動の紹介を行ったりと、国を挙げて糖尿病対策を行い始めています。

糖尿病の医療費が与えるアメリカ経済への悪影響

アメリカでは糖尿病患者は年々増えており、糖尿病に関する医療費の経済的損失も増加してきています。
その損失は15兆3120億円にも登りアメリカ経済に大きな打撃を与えています。

糖尿病の合併症による心筋梗塞、脳卒中、網膜症、腎症、足の障害などの年間医療費は、患者1人あたり平均100万円とみられています。
患者の自己負担額はおよそ10分の2の16万円ほどになり、3100万人の糖尿病患者を抱えるアメリカとしては大きな社会問題になっていることは見て取れます。

また、ハーバード大学の研究によると、2030年にはアメリカ国民の半分が糖尿病を患ってしまうという研究結果が出ており、早急な糖尿病対策が必要となります。

糖尿病患者は短命なのか?糖尿病と寿命の関係

糖尿病患者の平均寿命

日本では1971年〜1980年から2000年〜2010年までの10年間毎に日本人糖尿病患者の死因や死亡時年齢に関する大規模な調査を行ってきました。

2000年〜2010年の日本の糖尿病患者の平均寿命は男性で71.4歳、女性で75.1歳となっています。(日本国民の健康寿命:男性80.50歳 女性86.83)

1971年代の糖尿病患者の平均寿命は男性で63.1歳、女性で64.9歳と、現代の糖尿病患者の平均寿命と比べると男女で約10歳平均寿命が延長されており、日本の医療が技術革新によって年々糖尿病患者の平均寿命の数値は上昇しています。

10年ごとに糖尿病患者の平均寿命は約2.5歳ずつ延長されている計算とすると、現在の2020年現在では男性で74歳.女性で77.5歳、2050年には男性で81.5歳.女性で85.1歳となる可能性もあります。

人生100年時代と言われている時代ですので後にもお話ししますが、糖尿病は短命というイメージはなくなっていくのではないでしょうか。

糖尿病にかかると寿命が短くなってしまう?

結論からお話しすると、糖尿病自体が寿命を短くしてしまうということはほとんどありません。
糖尿病そのものが死因になるのではなく、多くの場合は合併症を発症してしまい死亡してしまうケースが多くなっています。

糖尿病は症状があまり出ない場合もあるので、発見が遅れてしまったり通院を怠ったりしてしまうことが多々あります。
そのため知らず知らずの間に合併症を罹患してしまっていたり、重症化してしまう恐れもあります。

静かに着々と進行していくことからサイレントキラーとも呼ばれています。
そのため若年で心筋梗塞や脳梗塞などの命に関わる合併症を患ってしまい寿命を約10年短くしてしまう可能性もありますが、必ずしも糖尿病が寿命を短くしてしまうということdはありません。

糖尿病と日本人の死因上位との関係性

日本人の死因上位三つは、
1位 ガン
2位 心疾患(心筋梗塞、狭心症など)
3位 脳血管疾患(脳卒中、脳梗塞など)
が上位を占めています。

残念なことに、糖尿病はガンや心疾患、脳血管疾患の発症リスクを高めてしまうことがわかっています。

上記の三つの他にも、死因の上位である「腎不全」は、糖尿病が原因で発症することが多いです。
さらには、血糖コントロールをうまくコントロールできない状態が続いてしまうと肺炎などの「呼吸器疾患」による死因のリスクも高めてしまう恐れもあります。

糖尿病自体は寿命を短くすることはほとんどないと上記でお話ししましたが、糖尿病を50歳以下で発症した場合、25年生存確率は健常者に比べて約5割ほど低下してしまうこともわかっています。
しかしながら、食事療法や運動療法を適切に行い、生活スタイルを改善していくことで糖尿病が引き金となる死亡リスクを大幅に減らすこともできます。

新型コロナの後遺症、糖尿病患者にも大きな悪影響の恐れ

新型コロナウイルスが今なお猛威を振るっていますが、治療を受けて退院できたものの後遺症に苦しむ方々が増えていることが注目されています。

国際感染症センターに勤務されていて感染症専門医である忽那賢志氏は、

『呼吸機能に関する後遺症は多く出ており、特に重症であった患者さんでは、退院1ヶ月時点で肺機能低下がみられる頻度が高いようです。
しかし、検査を行っても特に異常は見られず、「体がだるい」「胸が痛い」「息苦しい」「動悸がする」などといった症状を訴えられる患者さんが多い印象です。』

と自身のブログで言っています。

新型コロナの後遺症、治療は自己負担で行うことに。

後遺症のもう1つの大きな問題として、治療費があります。
新型コロナの治療は無料で受けることが出来るのですが、陰性となってからの後遺症の治療では自己負担で治療をしなくてはなりません

7月2日にはNHKでこの後遺症について特集番組が放送され、新型コロナの治療で入院し5月上旬に2度のPCR検査で陰性となって退院したものの、後遺症に苦しみ今なお回復の兆しが見られず、入院や通院を繰り返しているとのことです。
退院してからも医療費が実費であり、退院してからの1か月半だけで12万円の医療費がかかっています

NHKの新型コロナ後遺症の特集番組

Twitter上でも新型コロナ後遺症に苦しむ方の投稿が多数見られました。

『陰性後も体調不良続くことがあるなんて知らなかった。陽性時は指定感染症で入院費全額免除だが、陰性後の入院は自己負担ということを知らなかった
『今後全部有料でしかも高いのも気になる。後遺症があるうちはせめてお手ごろ価格で経過観察してほしい…変わったのは陰性ってだけだからなぁ』

このように新型コロナウイルスの後遺症・医療費負担は今後間違いなく大きな問題となってくるでしょう。

糖尿病患者は特に重症化しやすいので注意!

糖尿病をお持ちの方が新型コロナウイルスにかかると重症化しやすいことが様々な研究機関から発表されています。
血糖値が高くなることで白血球や免疫に関わる細胞の機能が低下していることが理由とされています。

この重症化リスクは新型コロナウイルスの後遺症についても同様のことが考えられます。

前述のように新型コロナウイルスの後遺症は呼吸機能に関するものが中心で、もともと糖尿病の方は健康な方に比べて肺の感染症(肺炎、結核、肺腫瘍など)にかかることが多く、後遺症についてもダメージや治療期間が大きくなりやすいと考えられています。

後遺症の治療費負担にどうやって備えるか

新型コロナが陽性である間の治療はすべて健康保険が保障してくれますが、新型コロナから回復し陰性となった後はすべて自己負担で支払うことになります。

後遺症が長引けばその金額はとてつもなく大きなものになりますが、国・健康保険からの保障がない以上、民間保険会社が販売している医療保険で備えることが唯一の有効策となります。

ただ糖尿病の方が入れる医療保険は数が限られていて、価格も通常の医療保険に比べて少し高く設定されています。

例えば糖尿病の方向けに専門で医療保険を販売しているエクセルエイド少額短期保険ですと、30歳男性で月額2,042円、40歳男性で2,875円で加入できます(医療保険「糖尿病保険」の例。入院や手術を保障)。
新型コロナウイルスの対策にもなる「エクセルエイド社の糖尿病保険」

基本的にどの保険会社でも年齢が上がるにつれて価格(保険料)も上昇します。

保険加入は必ず新型コロナにかかる前に済ませておくこと

医療保険への加入を検討されている方は、新型コロナにかかる前に必ず加入を済ませておきましょう。

というのも、新型コロナウイルスに対して生命保険会社が保険引き受けルールを見直しており、新型コロナウイルスに感染・重症化してしまうと医療保険にはもう加入することができない可能性が出てくるからです。

どの生命保険会社もまだ公には発表していませんが、一部の保険会社では個別対応でそのような動きを既にしているという話も業界筋の方から聞いています。

未知のウイルスであるため、保険会社のそのような動き自体はやむを得ないように感じます。

糖尿病や持病のある人ほど予防の徹底を

このように新型コロナウイルスは陽性になり治療を受けているときだけでなく、陰性となった後も私たちの健康・生活に多大な影響を与えます。

後遺症の回復には半年~1年かかると医師に言われた方もおり、延々と続く治療からくる心理的ダメージと金銭的負担はとても大きなものです

新型コロナに罹らないことが一番に考え、予防の徹底を継続していただきたいと思います。
「手洗い」「屋内でのマスク着用」「3密を避ける」といった感染対策を常に心がけましょう。

この記事の参考文献

糖尿病患者が新型コロナウイルスに罹患したときの家計への影響
コロナ陰性後も続く“後遺症” 実態調査へ 日本呼吸器学会(NHK)
新型コロナの後遺症 症状と頻度は?(感染症専門医の忽那賢志氏のブログ)

小児糖尿病と食事生活(食事療法)について

小児糖尿病とは?

小児糖尿病とは小児期に発症した1型糖尿病、あるいは2型糖尿病のことを指します。
糖尿病と聞いて思い浮かぶのは大人の病気のイメージがありますが、何歳でも発症し特に若年層に発症しやすい1型糖尿病のように、小児期でも突発的にインスリンの働きが低下、あるいはなくなってしまうことが少なくありません。

10歳未満の小児糖尿病は1型糖尿病がほとんどの割合を占めています
10歳以上になると徐々に食生活の乱れが出始め、小児期でも成人型と言われる2型糖尿病が増えていき、1型糖尿病と2型糖尿病が同じくらいの割合となっています。

・主な症状

体内のインスリンが不足すると高血糖状態に陥り、血糖値を薄めようと体が働きかけることで水分の摂取量が増えたり、喉が渇いたり、尿量が増加するなどの初期症状が現れます。
小児期の場合ですと、お子さんがよくおもらしをしたり「おねしょ」をするなと感じたら糖尿病の可能性があるかもしれません。

さらに状態が悪化すると、糖尿病ケトアシドーシスというとても危険な状態に陥ってしまい、意識障害や嘔吐や吐き気などの症状が現れます。
この状態は大変危険ですので直ちに医療機関を受診するようにしてください。

・合併症の恐れ

適切な治療や血糖管理を行うことができていればあまり合併症の心配をする必要はありません。
ですが、高血糖状態が長い間続いていると合併症を発症するリスクが高くなってしまいます。

具体的な合併症としては失明や人工透析を要する糖尿病腎症、痛みを感じにくくなるなどの神経障害などがあります。(この神経障害によって痛みを感じなくなることで命に関わるような大怪我をする恐れもあります。)

また、大人になるにつれて心筋梗塞や脳梗塞など命に関わる病気を患ってしまう可能性がありますので注意が必要です。

1型糖尿病の子供の食事生活

1型糖尿病の場合特別な食事制限をする必要はありません。
自宅での食事や保育園や幼稚園での給食も他の園児と同じように食事をしても問題はありません。

ただし、小児が成長するために必要な量の栄養素やエネルギーを知ることが大切です。

バランスの良い食事を心がけるとともに、一度に大量の食事をしたり遅い時間に食事を取るなどは血糖コントロールに支障をきたす恐れがありますので控えるようにしましょう。

・おやつ(捕食)について

低血糖の予防や治療の一環としてもおやつを摂ることは大切です。
特に運動後などはおにぎりやパンなど運動量に合わせた量のおやつを補給するようにしてください。

2型糖尿病の子供の食事生活

2型糖尿病の場合も特別な食事制限をする必要はありませんが、もし栄養が偏った食事や食習慣を行ってしまっているのであれば年齢に適した食事に戻す必要があります。
また、『朝食を食べない』や『夜遅くに食事をする』、『間食が多すぎる』等の食習慣は直ちに改善することをお願いします。

・おやつ(捕食)について

2型糖尿病の場合はカロリーオーバーにならないように気をつけましょう。
運動後の清涼飲料水はカロリーオーバーになりやすいので控えるようにしましょう。

まとめ

小児糖尿病は血糖コントロールをしっかりと行い合併症を予防することができれば周りのお友達と同じように成長することができますし、大人になっても健常者となんら変わらない生活を送ることができます。

朝食を食べなかったり、夜遅くに食事をするなどの食習慣はご家族による影響が大いにあると思いますので、ご家族がお子さんの食事管理を行うようにご協力をお願い致します。

糖尿病患者がするべき地震、災害への備えや対策、注意すべき点とは。

震災と聞いて記憶に新しいのはやはり東日本大震災ではないでしょうか。
千年に一度と言われるほどの巨大な地震が日本国内を襲ってから今年で9年が経ちました。
東日本大震災に限らず日本国内では数多くの震災が発生してきました。

あるアンケートで日本の防災備蓄グッズを備えている家庭の割合は50%にも満たないというアンケート結果があります。この結果を聞いて皆様はどう感じるでしょうか?
防災準備グッズに限らず、日本国民の震災への危機感はまだまだ薄いように感じます。

今回は糖尿病患者者向けの震災への対策についてお話ししますが、日本という島国に住んでいる以上はもっともっと震災への準備や対策の知識などを深めていただければと思いますので、今回の記事が少しでも防災対策へ役立てれば幸いです。

東日本大震災のとき、糖尿病患者はどの様な生活を送っていたのか

2011年の東日本大震災で被災した糖尿病患者さんの声をまとめました。


『外出中に震災が発生したため薬の持ち出しがなかった。
それに加え情報網は途絶え、まずは自分の身を守ることで精一杯でした。
偶然にも二週間分の薬があったため最悪の事態は免れました』


『ほとんどの場所が停電状態によって、インスリンの注射を打つのが困難でした』


『食事療法を行っていたので、当然食糧不足に陥り対処法は見つかりませんでした。
また、糖尿病患者は一見すると健常者となんら変わらないので緊急時は重傷者患者が優先的になる ため相手にしてもらえなかった。』


『食糧不足になるのは当然で炊き出しや救援物資だけでは足らず、お店の開店待ちの行列に並んだり、震災後の後片付けは多くの体力が消耗されるため低血糖状態に陥りやすくなった。』


『救援物資がパンやおにぎりなど炭水化物ががほとんどなのに加え、運動不足にも陥りやすくなるため高血糖状態になりやすかった。』


『被災地医療で自分が服用している薬の種類がわからないので困った。』


このように多くの方が予期せぬ時に震災が発生したために、対処することが難しくなってしまいました。

もちろん当然震災を予測することはできません。
ただ日本は近年にも阪神淡路大震災や中越沖地震など大きな震災を経験しており、地震大国の日本だからこそ地震災害を想定した準備が必要不可欠です。

今回は糖尿病が故の震災した際の危険性と合わせて、準備要項や対策をご紹介していきたいと思います。

糖尿病患者特有の危険性とその対策とは

まずは糖尿病患者に限らず、十分な水分補給を行ってください。
そのうえで以下の個別の対策をしておくのが望ましいでしょう。

血糖値管理の難しさ

・避難先で支給される食料はほとんどがおにぎりやパン、インスタントラーメンなどの炭水化物がほとんどなので血糖値管理が難しくなります。
(血糖値管理が難しくなりますが、支給される食料を控えましょうという意味ではありません)
・震災直後は医療機関が機能していなかったり、救護所や救護班も設置されていない可能性が高いので手持ちのインスリンがない場合はインスリンの入手が非常に困難です。
・避難所での生活のストレスにより食事を取らなくても血糖値が上昇しやすくなります。

インスリンの注射

・災害時には注射器を消毒することができない場合もあります。ですが、まずは注射を行ってください。
・注射針が複数ない場合は同じ注射針を使用してください。(できる範囲の注射針の洗浄をしてください)
・万が一周りに注射針を持っている方がいましたら、未使用品に限り注射針をいただき使用してください。
・インスリンの注射をするのに周りの目が気になる場合は、近くの方々に糖尿病患者であることを伝え、壁になってもらったりするなどの協力をお願いしましょう。

感染症

・避難所での生活は様々な人と同じ空間で生活することになり、様々な感染症のリスクがあります。
免疫力が低下する糖尿病患者は感染症のリスクが高くなるので、手洗い、うがい、歯磨きなどの感染予防の徹底を行いましょう。

エコノミークラス症候群のリスク

・避難所ではなかなか運動することは難しくなり、長時間足を動かさずに同じ体勢でいると血の巡りが悪くなり肺塞栓症という命に関わる病気などを引き起こす場合もあります。
ウォーキングやジョギングができれば理想ですが、できない場合にはこまめに立ち上がったりなるべく同じ体勢でいないように心がけてください。

震災を想定した準備

まずは三日間生き延びれる準備をしましょう。
三日とした訳は、震災発生から三日経つと救護所や救護班が設置され始め、ライフラインが復旧されてくるからです。
また、かかりつけの病院で震災が起こった場合の準備や対策についてもお話を聞いておくと良いかもしれません。

<最低限の準備要項>

夏、冬どちらの時期にも対応した準備を心がけましょう。

飲料水:飲み水用と調理用と分けて準備しましょう。目安としては一人当たり3リットル

非常食:カロリーメイト、カンパン、水もどり餅など(現在は糖尿病患者向けの非常食があります)

即席食品(インスタント食品):インスタントラーメンやレトルトカレーなど

缶詰類:鯖缶やシーチキン、フルーツ缶、トマト缶など

調理器具:ビニール袋、ラップ、割り箸、紙皿など

内服薬:糖尿病患者であればインスリンや治療薬、ブドウ糖など(常備薬は余裕を持って二週間分を目安に準備しましょう)

その他:ペンライト、携帯自家発電機、携帯扇風機など

内服薬については、『薬局から薬の処方の段階で、病状等に合わせ非常持ち出し用の薬(冷蔵庫等に)を出しておけば非常時助かる』との声があったのでかかりつけの薬局にご相談してみてください。

詳しい準備要項については下記の『防災持ち物リスト』のPDFをご覧ください
防災持ち物リスト

まとめ

現在、新型コロナウイルスが世界中で蔓延しています。

そして私はこの新型コロナウイルスも震災だと考えています。
多くの人が命を奪われ、多くの人が息をするのも苦しい生活を送っています。そして多くの医療雨従事者が医療現場で戦ってくれています。

東日本大震災や阪神淡路大震災、その他多くの震災の時も多くの人が苦しんでいる中、多くの人が被災地に足を運び復興に向けて支援をしてくれました。
日本という国は人と人とが手を取り合って一つの『輪』としてこれまでも様々な震災を乗り越えてきました。

今後も様々な震災が起こると思いますが、一人一人が震災に対しての危機感や知識を深め、もっともっと強固な『輪』を作り上げることができるようになることを願っています。

糖尿病(2型)の持病がある人はガン罹患リスクが健常者の2倍

糖尿病患者がガンになる確率は高いというのは事実

厚生労働省の患者調査によると、糖尿病患者は健常者に比べてガンの発症率は20%から30%増加するという研究結果が報告されています。

特にガンを発症しやすい場所として
・肝臓
・膵臓
・大腸
・乳房
・直腸
・子宮内膜
・膀胱
が挙げられ、糖尿病患者の方はこれらの部位のガン発症率が高くなります。
一方で、前立腺ガンの発症率のみ減少するという報告も出ています。

罹病期間が長いほどガンの発症率は高くなる

糖尿病を15年以上患っている患者は、糖尿病を罹病してから15年以内の患者に比べて、男性で1.6倍、女性では1.8倍発症率が高くなると厚生労働省の患者調査により報告されています。

なぜガン罹患の確率が高いのか。

糖尿病患者のガン発症リスクが高い理由として、どの研究においても正確な要因は出されていないのですが、以下のことが考えられています。

要因① インスリン抵抗性と高インスリン血症

インスリンには糖代謝を促進させ血糖値を下げる働きがあるのですが、一方でガン細胞を増殖させる働きを持っています。
インスリン注射によってインスリンの成長因子が活発になり、癌の転移をも手助けしてしまう悪影響があります。

特にインスリンは膵臓で作られてから肝臓へと流れていくので、膵臓ガンと肝臓ガンのリスクが上がるのではないかと考えられています。

要因② 肥満による炎症

2型糖尿病の方の場合、肥満状態になることも少なくありません。
肥満によって蓄積された脂肪では慢性的に炎症が起こり、ガンの発症に関わってくる場合があります。

要因③ 生活習慣

これは糖尿病と癌の発症率として共通になりますが、栄養の偏った食事や運動不足、喫煙、アルコールの過剰摂取など、これは糖尿病を悪化させるとともにガンの発症率も増加させてしまいます。

ガン予防のために出来ること

ガン予防への一番の予防策は健康的な生活の徹底です。
栄養の偏った食事や運動不足による肥満、過剰なアルコール摂取、喫煙は糖尿病の発症に加えて、ガンの発症率も増加させてしまいます。

そしてガン予防に最も重要なのがガン検診です。
ガン検診を受けることでガンの早期発見につながり、ガンによる体調悪化(最悪は死亡)を防ぐことが出来ます。

一度ガン検診を受診したから安心するのではなく、定期的にガン検診を受診することで早期発見を限りなく100%に近づけられ、初めてガン検診の意味を成します。

ガン発症を抑える研究の状況

最近の研究状況でいうと、京都大学の井垣達吏氏の研究グループが、ハエを実験に使って糖尿病がガンの発症を増加させる関係についての研究結果を発表しました。

ハエのチコという細胞を破壊すると糖尿病患者に見られる高インスリン血症状態が見られ、糖尿病治療薬のメトホルミンを投与すると症状が回復したと言います。
この研究結果により糖尿病がガンの発症率を増加させてしまう関係の仕組みが解明され、糖尿病患者のガン発症への予防策や治療法の開発が期待されています。

血糖異常を知らせてくれる糖尿病アラート犬ってどんな犬?日本での活用状況は?

糖尿病アラート犬とは

糖尿病アラート犬とは、糖尿病患者である飼い主が高血糖や低血糖などの血糖異常になっている時に、飼い主の足や腕をゆすったり、必要に吠えることで血糖値異常を知らせてくれる訓練された犬のことです。

飼い主が低血糖状態になっている時に、冷蔵庫から糖分の入った飲食物を運んでくる犬もいます。
また高血糖よりも低血糖の方が感知に優れているという研究結果もあります。

糖尿病アラート犬にも感知の精度には個体差があり、気質や、訓練、飼い主との相性などで変化します。
その中でも糖尿病アラート犬に向いている犬の傾向としては、
社交的
自信がある
食べ物でモチベーションが上がる
生まれつき人懐っこい
があると言われています。
(あくまで傾向なので犬によって個体差があります。)

なぜ犬が低血糖を検知できるのか

糖尿病アラート犬がなぜ糖尿病患者の血糖異常を感知できるのかについては、糖尿病患者が血糖異常になる時に患者から発せられる匂いをかぎ分けているのではないかと言われています。
血糖異常になると呼気中のイソプレンという部質が増減することが証明されており、このイソプレンの増減を匂いとして感知し血糖異常を知らせているのではないかと推測されています。

糖尿病アラート犬が糖尿病患者の命を救った事例

実際に糖尿病アラート犬が飼い主の血糖異常を感知し命を救った事例についてご紹介したいと思います。

介助犬チワワが血糖異常を察知

アリゾナ州に住んでいるトーマスさんの持病である糖尿病が悪化したため、介助犬の力が必要になりました。
そこでもともと飼っていたチワワを低血糖アラート犬養成プログラムに参加させることにしました。

本来なら過程を終了するのに2年ほどかかるところをメキメキと頭角を現し約8ヶ月で過程を終了するという驚異的な才能を開花させました。
訓練を終えてから3週間ほど経過した頃、トーマスさんの血糖値が急降下し低血糖状態に陥っていたのを匂いの変化からチワワが感知し、トーマスさんの顔を必要以上に舐めて異常を知らせたという事例が出てきました。
その後もトーマスさんが血糖異常になるたびに感知して知らせ、何度も命の危険から救っているそうです。

医療アラート犬のマジック

飼い主のクレアさんは1型糖尿病患者です。しかし通常の糖尿病患者とは違って、クレアさんの体は危険な発作の予兆を示さないという特徴がありました。
マジックが来る前は睡眠時に1時間ごとに起きて、発作がいつ起きるのかを予測するために血糖値の測定を行っていたそうです。当時は十分に睡眠がとれずストレスもかさみ疲れ果てていたそうです。
また、旦那さんも朝起きたら隣で妻が死んでいるのではないかと常に心配していました。

しかし、マジックが来たことにより、発作の予兆があまり現れないクレアさんの異常をも感知して血糖値異常を知らせてくれました。
クレアさんは今までに最新の医療技術は試してみても効果はなかったのですが、「マジックが来てくれたおかげで3500回は命を救われた」と話しています。
そのおかげで、悩まされていた1時間ごとの血糖値測定から解放され、旦那さんも今は大きな心配をすることなく生活できているそうです。

日本での糖尿病アラート犬の活用状況

日本での糖尿病アラート犬の実用状況は欧米に比べるとまだまだ低いのが現状です。

現在のところNPO法人の『日本IDDMネットワーク』と『ピースウィング・ジャパン』の二つの財団が殺処分を逃れた犬たちを糖尿病アラート犬へと育成し、糖尿病患者の家族を迎える活動を行っており、日本での早期実用化に向けて尽力しています。

糖尿病アラート犬が普及すれば、より糖尿病患者が健常者と変わらない生活を送れるようになるかもしれません

今回のコラムをきっかけに糖尿病アラート犬のことを知っていただく機会となれば大変嬉しく思います。
また、糖尿病アラート犬のことをもっと多くの人に広めていくことで、救える命の数が増えていくことにつながりますので、このコラムもそうですし、糖尿病アラート犬に関する記事やサイトの拡散もあわせてお願い申し上げたいと思います。