アメリカの糖尿病患者数は世界第3位!

 

世界の糖尿病患者数は2017年の4億2700万人から2019年には4億6300万人に、糖尿病死亡者数も2017年の400万人から2019年には420万人と、患者数、死亡者数共に増加の一途をたどっています。

世界の糖尿病患者数を国別で見ていくと
1位 中国 1億1640万人
2位 インド 7700万人
3位 アメリカ 3100万人
4位 パキスタン 1940万人
5位 ブラジル 1680万人

糖尿病患者数が世界3位のアメリカは、2017年の3030万にから2019年には3100万人と2年間で70万人増加しています。

人口が世界1位、2位の中国やインドが糖尿病患者数が多いことはわかりますが、パキスタンやブラジルが糖尿病患者が多い理由としては、急速な経済発展を遂げており食生活が欧州化してきていることが大きな要因とされています。

なぜアメリカは糖尿病患者が多いのか。

アメリカの糖尿病患者のうち大半が2型糖尿病であり、糖尿病患者数が多い理由としては

・ファーストフードやジャンクフードが食生活の中心となっている
・車社会による運動不足

この2つが大きな要因とされています。

アメリカではハンバーガーやピザ、タコス、ホットドッグなどから、糖分を多く含んだドリンク、多くのジャンクフードや高カロリーな食品が食生活の中心となっており、誰しもが、一目見て良い食生活とは言えないような食事を摂っています。

また、低所得者層は安価で手にはいるファーストフードや高カロリーな食品に偏りやすくなり、所得からして健康に配慮した食生活をする余裕がなく、肥満や糖尿病になりやすくなってしまうのも背景としてあります。

膨大な広さのアメリカではどこに行くにも車が必須です。
スーパーに買い物に行ってもアメリカの商品は大きいし、重いですよね。そのため自転車なんかでは持ち帰ることすらできません。

また自動車産業が盛んなアメリカは経済面でも大きな要であり、そういった要因も含めてアメリカは世界でも有数の車社会なのです。
そのため自然と移動は車となり、意図的に運動をしない限りは運動不足になることは当然のことです。

このように、食事面、運動面どちらを見てもアメリカの糖尿病患者数が多い理由がよくわかります。

アメリカ人が行っている糖尿病への対策。

上記でお話しした食生活とは反対に、
・ファーストフードやジャンクフードは一切とらない
・動物性脂肪はとらない
・保存料を多く含む食品は避ける
・炭水化物、脂質、プロテインのバランスの徹底
などなど、食事や運動にとても気を使っている人々も多くいるのも事実です。
またこのように健康に興味を持つアメリカ人も増えてきています。

国としてもメディケア糖尿病予防プログラム(MDPP)というマンツーマンのカウンセリングと、食事や運動における支援を行い、特に糖尿病予備郡の人々が、完全なる糖尿病にならないように手助けをするプログラムや、米国糖尿病学会が「立ち上がって運動しようデー」を定め、糖尿病のリスクがある人々全員が立ち上がって運動をするように呼びかけたり、座ったままでも行える運動の紹介を行ったりと、国を挙げて糖尿病対策を行い始めています。

糖尿病の医療費が与えるアメリカ経済への悪影響

アメリカでは糖尿病患者は年々増えており、糖尿病に関する医療費の経済的損失も増加してきています。
その損失は15兆3120億円にも登りアメリカ経済に大きな打撃を与えています。

糖尿病の合併症による心筋梗塞、脳卒中、網膜症、腎症、足の障害などの年間医療費は、患者1人あたり平均100万円とみられています。
患者の自己負担額はおよそ10分の2の16万円ほどになり、3100万人の糖尿病患者を抱えるアメリカとしては大きな社会問題になっていることは見て取れます。

また、ハーバード大学の研究によると、2030年にはアメリカ国民の半分が糖尿病を患ってしまうという研究結果が出ており、早急な糖尿病対策が必要となります。